利用者の採用準備を強化。就労移行支援事業所向け「ともつくセミナー」第二弾開催レポート

2025年3月13日(木)に、はたらきがいを障害者と ともにつくる=通称「ともつくセミナー」と題して、就労移行支援事業所様向けセミナーの第二回目を開催しました。

採用準備の基本や成功事例の共有を通じて、就労移行支援事業所が就職支援の質を向上させるセミナーです。全3回が終了した後(4ヶ月目)の「コレカラヤJOIN」でのマッチングイベントに向けた準備を進めていきます。

▲詳しい開催案内はこちら

【第1回】
2月13日(木)13:00~14:30
テーマ:採用活動の強化(前回記事はこちら
就労移行支援における基本的な採用プロセスの理解を深める

【第2回】
3月13日(木)13:00~14:30 ※今回開催
テーマ:成功事例の体系化
成功事例をもとにした実践的な手法の学習と共有

【第3回】
4月10日(木)13:00~14:30
テーマ:採用準備と方針の策定
障害者と企業を効果的につなぐ

なぜ、コンサルティング会社が障害者雇用支援事業を?

代表の町が、とある企業イベントに参加した時です。目の前に座った方は、障害を持つ中学生の親御さん。その方は「一日でいいから、子どもが自分より先に逝ってくれることを望んでいます」と話されました。

当時はその言葉の意味をすぐには理解できませんでしたが、その後、就労継続支援事業との協働をしていく中で、障害者の方々の現実を知り、親が先立ってしまうと、子どもの面倒を見ることができなくなるという不安が背景にあること、切実な想いが込められていたことに気づいたのです。

プレジャーサポートでは、メタバース空間を活用し、障害者の方々と企業をマッチングする「コレカラヤミーツ」「コレカラヤJOIN」というイベントを開催しています。
これまでのイベントの様子を見て、企業と障害者の方々がお互いの考えや価値観を合わせることが必要ではないかと考え、今回のセミナーの開催に至りました。

今後は、働きがいを創造している企業と、働きがいある企業で就職したい就活者やそれをサポートしてくれる企業がマッチングできるメタバース空間をつくっていく予定です。

▲障害者雇用をする企業、就労移行支援・就労継続支援事業所が集うメタバース空間を建国中!

ともつくセミナー内容の一部|バリューチェーン分析による市場の再設定

ともつくセミナーで行った内容の一部をご紹介します。第二回では、バリューチェーン分析についてお伝えいたしました。

就労移行施設の「顧客」とは?

就労移行支援事業所の「顧客」は、一般的に“利用者”を指しますが、実はもう一人の重要な顧客が存在します。それが“企業”です。利用者の就職を目指すためには、企業との関係構築が不可欠です。
つまり、就労支援には、利用者と企業という二種類の顧客がいます。この「二種類の顧客がいる構造」を意識せずに支援を行うと、支援の方向性がぶれてしまったり、広報・営業活動の効果を発揮しづらくなります。

企業のターゲティングを行う

就労移行支援事業所にお勤めの皆さまは、企業のことをどれだけご存知でしょうか。

「企業が就労移行支援施設に求めるもの」を想定すること。「どういった企業規模の会社なのか?」考案すること。など、企業ターゲティングしていく必要があります。

AIの進化に伴って、オフィスワークの雇用環境は厳しくなっていくことが予想されます。また、最低労働賃金が2030年に向けて1500円になることも考えられるため、中小企業は新卒採用をしなくなる可能性も出てきます。

こうした企業側の状況が刻々と変化する中で、どういう職種が必要なのかを踏まえ、対象となる企業をターゲティングすることが大切です。
規模は、小規模(50名未満)、中規模(300名未満)、大規模(300名以上)なのか、法定雇用率が未達の会社なのか、達成済みの会社なのかもポイントになってくるでしょう。

成功の法則(KSF)を見つける

「KSF=Key Success Factor(成功の鍵)」という言葉があります。これは、特定の業種や市場で成果を上げるための“勝ちパターン”を指します。

例えば、10年前のコンビニ業界では、特定のエリアに出店し顧客シェアを獲得する「ドミナント戦略」が有効でしたが、現在は、「配送コストの最適化」がKSFになってきています。時代や社会情勢によって「勝ち方」は変化していきます。

就労移行支援においても、成功するためのKSFを見つけることが重要です。

自事業所の「戦える土俵」を見極める

今回のセミナーでは、顧客(企業と利用者)に価値の連鎖(バリューチェーン)をもたらしているかをワークショップ形式で確認しました。
対企業に対して「認知活動」「ニーズの把握とコンサルティング」「受入体制の構築支援」「マッチング支援」「フォローアップ支援」と価値を生み出しているフェーズに分解し、各フェーズのおける自社の優位性について確認していきました。

・私たちの支援が最も価値を発揮できるのはどの分野か?
・どの企業にアプローチすれば、自事業所の特性が活きるのか?
・利用者さんの特性と企業ニーズの“接点”はどこにあるのか?

こうした問いを事業所の垣根を超えて話し合い、改めて自事業所の戦略について考えていただきました。

まとめ

就労移行支援事業所には、「利用者」と「企業」という2種類の顧客が存在します。企業も時代に合わせて変化していくことと合わせて、事業所の存在意義を見直し、利用者と企業の双方にとって価値のある支援を提供することが、持続可能な成長につながります。

対象の企業を規模や法定雇用率などからターゲッティングし直すこと、バリューチェーン(価値連鎖)のフェーズ毎に自社の優位性を確認すること、などを通して、自事業所の戦略を改めて考えていただきました。

「ともつくセミナー」は3回の講座を1サイクルとして、継続的に行っていく予定です。ご興味がある方は、ぜひ次回以降のセミナーにご参加ください!

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