こんにちは!Pleasure Support株式会社 学生スタッフの赤星と申します。この度は、株式会社横引きシャッターの代表取締役、市川慎次郎さんに「働きがい」と「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」についてのインタビューを行いました。この記事を通じて、皆さまに少しでも新たな視点や価値観をお届けできればと思います。
株式会社横引きシャッター様とは?
特許を取得している「上吊式横引きシャッター」を中心に横引きタイプのシャッターや建材を製造・販売している企業様です。同社の横引きシャッターは長い間口でも一枚のシャッターで済み、またS字など曲線にも対応できるメリットがあることから、ショッピングモールや地下鉄の売店などで広く使用されています。
また、同社では「社長戦力外通告」や「定年のない雇用」「がんを患っている人の雇用」など理想の会社に向けた取り組みを数多く行っていることが特徴です。
インタビューにお答えいただいた市川社長
株式会社横引きシャッターの代表取締役 市川慎次郎さんは、先代より2012年に会社を引き継いでから、9億円抱えていた負債を6年間で7億円返済して、会社を見事に立て直しました。そして、現在も様々な取り組みを行いながら「社長がいなくても会社が回る状態」を目指すという独自の経営理念を掲げていらっしゃる方です。
目標を定め、その目標に向かって段階を踏むこと
市川さんの経営のスタートは、9億円もの巨額の借金を抱えた状態から始まりました。非常に難しいスタートだったにも関わらずなぜやろうと考えたのかと伺ったところ、非常にシンプルな答えが返ってきました。
「そもそもできるかできないかは全く考えず、こうなったほうがいいよね、こうなりたいという理想を描き、それに向けてどうすれば実現できるかを考え続けたんです。そして、自分は何ができるか、やれるかということを考えていました」と語ります。
借金返済をただの苦難と見るのではなく、目標を立てて段階的に進めることに楽しさを見出していたそうです。
「当時は、毎日借金が少しずつ減っていくのが本当に楽しかったんです。次にどうやって借金を返済していこうかと考えることが、非常にやりがいでした」と、市川さんは当時のことを語ってくださいました。
現在では、会社が成長していくことや社員が成長していく姿を見守ることが特に働きがいに繋がっているとおっしゃいます。
また、市川さんは会社が大きくなることにはそれほど関心がなく、「むしろ好きな仲間と楽しく働けて、それがビジネスとして利益を生む」ということを仕事の本質的に考えています。
また、「誰と一緒に働いていて楽しいのか、ビジネスだから利益は大切です。社員それぞれの幸せの基準や価値観は違いますが、現状よりもっと良くなっていこうとすることは必要です」とおしゃっていました。
市川さんが一度、現状に満足した状態に陥り、再始動することが難しかったからこそ、社員の方々にはそうなってほしくないという想いで、伝えているそうです。
理想を目指すことが根底にあるD&I
市川さんの会社は、定年後の雇用やがん患者の雇用といった多様性雇用も行っています。私は、なぜ横引きシャッター様がD&Iに取り組むことになったのか非常に気になったので伺ってみました。
市川さん曰く、かつての会社の環境は劣悪で、社員たちも働いていてどよんとした空気だったそうです。
「じゃあ、どういう会社がいいのか?みんなが楽しく働いて、和気あいあいとした環境が理想だよねと考えました。そして、それを実現するために少しずつ積み上げていっただけなんです」と語ります。
この結果、D&Iを強く意識しているわけではなく、自然に現在のような多様な人材が働いていて、個々が活躍できる職場が形成されました。
社員が働きやすい環境にするために
横引きシャッター様で多様な人材が活躍している要因もお聞きしたところ、市川さんは「どうしたいのか本人に聞いている」とおっしゃっていました。
(市川さん)「本人が働きたいと言うなら、『じゃあどうしたら、働きやすくできるか』ということを一人ひとりと話し合って決めています。ただ一つだけ、働きに来る以上趣味・遊びではなくビジネスマンとして、しっかりと利益を出すことは必要だということだけは伝えています。」
その根底だけ抑えていれば、社員は家族・仲間というお考えであるため、楽しくやりたいそうです。そのため、82歳の社員の方(現最高齢)も強制されてではなく、働きたいように働くことができていると言います。
社長戦力外通告のその先へ
現在、市川さんが目指しているのは「社長がいなくても実行できる会社」です。実際に、現在の会社はすでに通常業務が社長不在でも滞りなく進行できる状態にまで成長しています。
(市川さん)「今後は、通常業務だけでなく、社長がいなくても10年、20年とみんなが楽しく働き続けることができる会社を目指しています。そうしたら、何を強化して、何を改善していくかが見えてくるので、それを一個一個積み上げていこうとしています。」
と、市川さんは次なる目標に向けての意欲を示されてました。
「お互い様精神」が根付く職場での出来事
市川さんの会社では、社員同士の繋がりが非常に強く、文化や国籍の違いを超えて支え合う「お互い様精神」が企業文化として根付いています。
それは、HPやお話を聞いている中で非常に感じていたので、最後に社員の方同士の仲の良いエピソードをお聞きしました。
工場の社員たちは昼休みにお弁当を交換することがあるようです。外国籍の方もいることから国によって味や作り方が違うことに関心がある社員も多く、休みの日に何時間も煮込んだ料理を振舞い合うこともあるのだとか。
「会社としてお互い様精神が根付いているが、プライベートでもそうしたお互い様精神が当たり前になっているくらい仲がいいですよね」と笑いながらおっしゃっていました!
インタビューを終えて
「多額の借金を返済し、ご自身や従業員が幸せになるための理想を追求する」ことに、私は壮絶なことだったのだろうとお話を聞いているときに感じていました。
しかし、聞いている相槌で市川さんが察してくださったのか、「難しいことではなく、やれることを一つひとつ積み重ねているだけ」ということを強調して伝えてくださいました。
一見大きく見える目標も社内の環境づくりも、またキャリアの選択もこの一つひとつの積み重ねが大切であると改めて実感し、自分の理想に向かって励もうと勇気づけられたインタビューでした!
会社概要|株式会社横引きシャッター様
本社:東京都足立区綾瀬6-31-5
TEL:03-3628-4500
HP:https://www.yokobiki-shutter.co.jp/