【働きがい創造企業に学生がインタビュー#20】株式会社アンサーノックス様の働きがい創造~ドアを叩いてくれた人に一人でも多く応えるために~

こんにちは!Pleasure Support株式会社 学生スタッフの赤星と申します。この度は、株式会社アンサーノックス 代表取締役の渡辺郁様に「働きがい」と「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」についてインタビューをしてきました。
この記事を通して、皆さまが新たな気づきや価値観を得ることができれば幸いです。

株式会社アンサーノックスとは?

甲府市を拠点に全国へ「ドアを叩いてくれた人すべてに応えたい」という想いで人材派遣事業や特定技能人材紹介を行っている企業です。
また、多様性雇用に力を入れ、外国人労働者を取り巻く問題・少子化や女性の活躍推進など、社会課題に対しての取り組みも行っています。

株式会社アンサーノックス 代表取締役 渡辺 郁 様

渡辺様は元々、人材派遣業界やアウトプレースメント(再就職支援)業界に身を置いていたそうです。その後実家がある山梨県に戻ってきました。そこでの経験は「山梨で出会った製造業の派遣は、ルールも全く違い、まるで別世界でした」と言います。
コンプライアンスの意識が低く、外国人労働者は日本人とは全く違う厳しい条件で働かされていたそうです。

「やりたい」と思う信念の強さ

今でこそ”女性活躍推進”という言葉が社会に浸透しています。ところが、2008年に会社を立ち上げた当時、まだ女性が活躍できる環境は整っていませんでした。

(渡辺様)「山梨は非常に閉鎖的で、ジェンダーギャップ指数も低い地域でした。女性の校長先生も少なければ、女性の政治家も少ない。働くにしても、賃金格差が大きかったんです。」

企業訪問をして名刺を渡しても、「お父さんは誰?」なんて聞かれるなど、非常に辛い時期もあったとおっしゃっていました。それでも渡辺様は、「やりたい」その一心で、立ち向かったそうです。

向かい風の中での取り組み

2008年立ち上げ当初、事務所の前には仕事を探している外国人労働者が20人ほど列を作って待っていました。しかし、当時はリーマンショックの影響もあり、派遣業界は非常に厳しい状況に直面。仕事がなく、列をなして待つ外国人たちにしてあげられることは何もありません。

そこで、大きく二つのことを行ったそうです。

1.スーパーの端に置かれた薄いフリーペーパー求人誌を集め、外国人労働者と一緒にどこで働けるかを話し合う
2.外国籍の働きたい人のために履歴書や職務経歴書を作成

渡辺様はそれまでの経験から、本格的な職務経歴書を作ることができました。
そこで、外国人労働者の信仰・文化や家族構成・いつまで日本にいるのかなどの情報をまとめ、本人の了承を得たうえで作成したのです。

(渡辺様)「職務経歴書を受け取った採用担当者が『日本語を話せないのにこんな立派な経歴書を作るなんて、良い友人が日本にいるんだな』と、その人の印象がプラスになるのではないかと考えていました。当時はひたすら職務経歴書の作成を繰り返していました。」

さらに、渡辺様ご自身が面接も同行したそうです。
当時は派遣を行っていたわけではないため、利益は出ません。しかし、アンサーノックス様で最も大切にしていることは、ドアをたたいてくれた人全てに応えること。その時も困っている人を助けることだけを考えて行動したとおっしゃっていました。

ドアを叩いてくれた人が幸せになること

そんな苦労も数多く経験してきた渡辺様に、働きがいは何かお聞きしました。

その答えは非常にシンプル。

とにかく皆が幸せになること!

(渡辺様)「外国人と日本人のコミュニケーションの齟齬を埋める接着剤のようになりたいと考えています。たとえ、ブラジルの方が日本人を信用できないことがあったとしても、『この人の言うことなら聞いてみよう』と思ってもらえる存在になりたいです。
だからこそ、呼ばれたらどこへでも行くし、何でも食べるし、とにかく同じ時間を過ごしてきました。」

渡辺様は、売上や業績向上を目指すよりも大切にしていることがあると言います。それは”全ての困った人々がドアを叩いて助けを求めてくれるような会社”であり続けること。

(渡辺様)「世の中自体が変わってきていて、『人の気持ちや動向にもっと敏感になろう』という時代になってきています。そういう中で、どういう会社・社会にしたいのかと考えた時に、全ての困った人がドアをたたいてくれる会社でありたい、応えたいと思っています。」

誰に対してもそばにいること

外国人労働者の支援を進める中で、渡辺様はD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の重要性に改めて気付いたと語ります。
今でこそ同一賃金同一労働という考え方が導入されましたが、当時は無意識の偏見で外国人労働者に対する差別的な賃金が当たり前でした。

当時、その現状を強く改善したいと思ったそうです。
そのため、言葉の壁があろうとも悩んだときにそばにいて心を伝えることを大切にし、ドアをたたいてくれる人には全力で応えたいと言います。

また、働き方も自由でいたいと思っているそうです。
アンサーノックス様の”働き方で大切にしている10のアクションと5のバリュー”をご紹介します。

10のアクション

1. 多様化へとシフトする社会に順応出来る柔軟な感覚を持つ 
2.新しいチャレンジや企画を考え、生み出し、実現する 
3.与えられる義務ではなく、自ら創り出すす仕事をする 
4.最低でも5カ国語であいさつが出来るようにする 
5.人の為、社会の為、そして自分の為に仕事をする 
6.空気が読めるだけじゃなく明るい空気を作り出す 
7.困難をチャレンジに、失敗をチャンスに切り替えるスイッチを持つ 
8.相手の立場や状況、気持ちになり物事を考えられる想像力を持つ 
9.どんな小さいことにもサプライズを意識する 
10.美味しいものや楽しい遊びに興味を持つ 

5つのバリュー 

1.人の役に立とうとする 
2.人に関心を持つ 
3.どんなことでも面白がる 
4.全力を尽くす 
5.今の自分を好きになる 

HPより引用

このようなアクション・バリューを持つ人と共に働きたいと考え、渡辺様ご自身もこのような人物でありたいと思っています。

新たな価値観を得ることができる

様々な挨拶や文化を知り、自分の地平が広がることが、多くの方と関わることで良かったと感じることだそうです。


現在、アンサーノックス様には50か国以上の労働者が登録しており、様々な文化や価値観が交わる場となっています。
多様な人物がいるからこそ、人と人とのつながりから心の豊かさが生まれてくるとお考えになっています。

世界平和を実現するために

最後に、現在の最終的な目標や今後の展望をお聞きしたところ、
「すべての困っている人々に応えること。そして最終的には、世界平和を実現すること」と教えていただきました。

これは、戦争どうこうの話ではなく、死ななくていい人が死なない社会を作ることや一人ひとりが最大限の力を発揮できる人生を過ごすことを意味するそうです。
人生には、楽しみばかりでなく辛いこともたくさんあります。その中で一生懸命物事に取り組み、得た結果にこそ楽しみや価値があると考えていらっしゃいます。

また、現在アンサーノックス様は設立15周年を迎え、20年目に向けて新たな目標を掲げています。

それは、外国人労働者の特定技能制度を導入し、労働者が自ら職業を選べる環境を整えることです。そしてより多くの”ドアをたたいてくれる人”に応えたいと語りました。

インタビューを通して

物事は心の持ちようだと強く実感しました。インタビューでは、渡辺様は起業当時から幾度となく壁にぶつかってきたお話をしてくださいました。
しかし、その壁を前向きに考え、新たな取り組みにはワクワクした気持ちで行動されていました。これはなかなかできることではないと思います。しかし、「失敗をせずに成功だけを当てようとすることはできない」と言われたときに、スッと腑に落ちました。

むしろ成功ばかり味わっていても、そこに大きな喜びはないなと。

今回のインタビューを通して、渡辺様の視座の高さや自身の思いに忠実であろうとする姿に感銘を受けました。
自分が何をしたいのかどういう存在になりたいのかと考える視点は無数にあると実感し、様々な方とお話していく中で自らの核を決めたいと感じました。

会社概要|株式会社アンサーノックス様

本社:山梨県甲府市丸の内2-30-5
TEL:055-287-6811
HP:answer KNOCKS

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