【働きがい創造企業に学生がインタビュー#21】日本電気株式会社様の障がい者雇用

こんにちは!学生インタビュアーの原田です。今回は、日本電気株式会社(以下NEC)様にインタビューを行いました。

■日本電気株式会社とは?

NEC様は、ITサービス事業や社会インフラ事業を中心に、さまざまな事業を展開する大手電機メーカーです。
生成AIや人工衛星の開発など、高い技術力が強みであり、日本や世界を支えている会社として広く知られています。

▲日本電気株式会社 ロゴマーク
▲オフィスの様子

■今回インタビューを行った方

今回インタビューを受けてくださったのは長谷川貴司様です。
NEC様ではピープル&カルチャー部門インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)グループに所属していらっしゃいます。
17年間ビジネス企画に携わり、新たな仕事にチャレンジしたいという想いから現在は障がい者雇用に取り組まれています。

■障がい者雇用に興味を持ったきっかけ

長谷川様はNECで働きながら音楽プロデューサーとしても活動されています。
「自分の音楽の仕事をNECの仕事と結びつけたい」という想いからNECが拠点を置く川崎市の「パラムーブメント」の取り組みに興味を持ち、参加されました。
パラムーブメントとは「障がいの有無に関係なく、クリエイティブな活動に参加できることを目指す」という川崎市独自の活動です。
活動の一環として、放課後等デイサービスで活用されるダンスプログラム用の音楽制作等を行っていました。この経験を通じて障がい者と頻繁に関わるようになり、仕事でも障がい者雇用に携わりたいと考え、人事部への異動を決断しました。

▲長谷川様が代表を務めるインクルーシブダンスチーム「NECダンサーズ」

■障がい者雇用の特徴と合理的配慮

NEC様は「障がいの有無に関係なく活躍できる社会を目指す」という理念のもと、障がい者雇用を始められました。
そのため、NEC様は障がい者専用の枠を設けた採用は行っておらず、一般社員と同じ選考基準で採用し、業務内容やキャリアアップで区別をしないことが特徴です。

また、NEC様の大きな特徴は、合理的配慮の取り組みにあります。
聴覚障がいの方には、選考段階から字幕を提供し、研修では手話通訳を設けるほか、他の社員とのコミュニケーションにはUDトークを使用しています。視覚障がいの方には、読み上げソフトを準備し、視覚障がい者向けに配慮した研修コンテンツも作成しています。また、聴覚障がいや視覚障がいのある方が孤独にならないようなコミュニティの構築にも取り組んでいます。

▲聴覚障がいのある社員とのコミュニケーション

「障がいが逆に強みになっている」 ーERGの取り組みー

多くの社員がERG(エンプロイーリソースグループ)という取り組みに参加しています。
これは、自分の障がいに関する知識や経験を商品開発に活かしたいと考える障がい者の方々の集まりです。
NEC様が商品開発を行う際には、障がいのある方への配慮が必要です。そのため、障がいのある当事者がチェックとアドバイスを行っています。具体的には、製品の画面の色やレイアウトが適切かどうか、またアプリが障がいのある方にも使いやすいかどうかなどを確認しています。

さらに、ミライロID(デジタル障害者手帳)とNECの社員IDを連携し、ミライロIDのサービスを社内でも利用できるように取り組みを進めています。この取り組みの商品企画にも障がいのある社員が従事しています。

このように、「障がいが逆に強みになっている」と感じられるERGや商品企画の活動を通じて、障がいのある社員が働きがいを実感しているそうです。長谷川様は、「インクルーシブデザインのあるべき姿を実践できていることは良いことだと思う」とおっしゃっていました。

▲イベントに出展する障がいのある社員

■障がい者雇用の目標

NEC様は今後、特に精神・発達障がい者の雇用を推進していくそうです。
雇用に向けて、産業医や精神保健福祉士との連携など支援体制の構築に取り組み、ノウハウを社内に浸透させることで、精神・発達障がいの方が、働きやすく・パフォーマンスを最大限発揮できる環境を整えていくとおっしゃっていました。
また、インターンシップ・実習の活用などにより、「試験→面接」という従来の採用方式とは違うプロセスを模索していきたいと述べていました。

▲オフィスの様子

「できない」ではなく「できることがある」という視点

NECで働く方は、障がいの有無に関係なく接することを意識されています。
一方、特例子会社では「強みを見つけること」に重点を置いているそうです。
「できない」ではなく「できることがある」という視点で接することを心掛けています。

▲オフィスの様子

障がい者雇用を通じて、社会に価値を提供する

最後に、長谷川様は障がい者雇用を行う意義についても教えてくださいました。
それは、、、「障がい者雇用を通じて、社会に価値を提供すること」
目的は、自社の雇用を満たすことではなく、AIなどの先端テクノロジーを活用して、障がいのある社員の職域拡大・働き方サポートを行い、その経験を、障がい者含む誰もが使いやすい商品(事業)にすることによって、持続可能な社会の実現を目指しています。

▲オフィスの様子

■学生インタビュアーの感想

NEC様の障がい者雇用に関する取り組みは、独自性があり、学びになる事が多かったです。
長谷川様が障がい者雇用に携わる契機も斬新であり、私自身も幅広い視野を持って仕事に向き合いたいと強く実感しました。
また、「障がいが逆に強みになっている」というお言葉は心に深く響きました。雇用して終わりではなく、障がいのある方の能力を事業に活用していく姿勢は大変印象的でした。
障がいの有無に関わらず、全ての社員が活躍できる素晴らしい会社だと思います。

日本電気株式会社|企業概要

本社   〒108-8001  東京都港区芝五丁目7番1号
TEL    03-3454-1111
HP        https://jpn.nec.com/

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