東和組立株式会社様~多様な人財が活躍するために~|働きがい創造企業に学生がインタビュー#29

こんにちは!Pleasure Support株式会社 学生スタッフの赤星と申します。
この度は、東和組立株式会社 代表取締役社長 林 佳寿彦 様に「働きがい」と「理想の環境」についてインタビューをしてきました。
この記事を通して、皆さまが新たな気づきや価値観を得ることができれば幸いです。

東和組立株式会社様とは?

東和組立株式会社は1969年に設立され、自動車用サスペンションの組み立てを主力事業とする企業です。
平成元年から障害者雇用に取り組み始め、多様性を重視した雇用を推進し、現在では、障害を持った方を法定雇用率の約9倍雇用しています。
さらに、正社員の約3分の1が外国籍、同じく3分の1が女性という多様性を実現している職場です。

この取り組みにより、2021年には経済産業省から新・ダイバーシティ経営企業百選に選定されました。

インタビューに協力していただいた林 佳寿彦 様

同社の代表取締役である林佳寿彦様は、2016年に親会社からの出向で東和組立に着任しました。その後、赤字状態にあった同社の経営を2年で黒字化に導き、史上最高売上を達成。その後も変化する時代に対応すべく、事業再構築やダイバーシティ推進を積極的に行っています。
また、林様は現在、岐阜県の「清流の国ぎふ」SDGs推進委員も務め、地域社会や環境への貢献を続けています。

やりがいについて

林様は2016年に出向し、赤字だった東和組立の経営を2年で黒字化、その後は史上最高売上を達成しました。しかし、その後コロナ禍やウクライナ戦争の影響で売上がピーク時の三分の一に減少し赤字に転落するも事業も見直しや改善により再度の黒字化を達成。現在も事業再構築助成金を受け、新たな挑戦をしています。

林様が最も喜びを感じるのは、3つあります。

1.企業業績の立て直し あるいはメイン事業や企業としての構造変革
2.時代に適応したアップデート
3.従業員が育っていることを目の当たりにすること

元々は、自動車部品製造という狭い事業形態でしたが、自動車産業が発展していくとともに企業も拡大していきました。しかし、EV化の流れによって自動車のマーケット自体が縮小していく中で、一つの事業に注力するのではなく、多角的に事業展開していくことを模索し始めたと言います。

また、林様は令和の時代は、「強くて良い企業」でなければ、持続可能が難しいという信念があります。
強いというのは、例えば営業力、技術力、など自ら改善できること。
良い会社というのは、ステークホルダーの評価を得て、あるいは地域からの評価を得て得られるもの。

こういった企業像を目指し、時代に合わせて企業を変革させていくことにやりがいを感じているそうです。

さらに、最近は従業員の成長も喜びになっているそうです。

(林様)「自分が褒められることはもちろん嬉しいですが、会社や部下が皆様に評価していただけることやプロダクトそのものに対して適切に評価をいただけることは、自分の評価以上に喜びを感じるようになってきていますね」とおっしゃいます。

大変だったこと

障害者雇用を進めるにあたり、林様が直面した課題の一つは、障害の特性に応じた仕事環境の構築でした。
同社では知的障害、聴覚障害、精神障害のある従業員を雇用していますが、それぞれの個性に応じた業務を割り当てることが重要です。
また、外国籍の社員については、言語の壁を乗り越えるためのひと工夫が必要でした。

多様な人財へのサポート

そういった多様な人財の特徴、サポート面を伺ったところ、

(林様)「障害を持った方々は几帳面で、決まったことに対しては非常に丁寧に仕事をしてくれます。
一方で、知的障害を持った方で言うと、判断力が少し弱かったりもします。
そのため、製品検査をするときに画像診断機を導入しました。知的障害のある従業員が画像診断機を操作し、製品検査のエビデンスをつけることで障害者の職域拡大につながっています」とおっしゃいます。
このように東和組立様では、テクノロジーを活用して業務を遂行することで障害を持った方が活躍できる環境を整えています。

画像診断機

また、外国籍の方に関しては、フィリピン、ブラジル、中国などの方が企業に在籍しています。
そのため、マニュアルを作る際に英語やポルトガル語などの表記マニュアルを多言語化することや動画をクラウド化することで、効率的な教育とスムーズな業務遂行を実現しています。

ダイバーシティ雇用について

東和組立様では、平成元年から障害者雇用の取り組みを始めました。
当時は障害を持った方に対する受け皿が少なく、必然的に同社に集まってきたそうです。
受け入れきれなかった方に関しては、就労継続支援施設も運営されているので、そこでの支援を行っています。

その中で、どのように事業を展開していくか考えた時に、自動車部品の組み立てだけでは許容量が自ずと限られてくると考えました。
そのため、就労継続支援施設では、クラフトコーラや冷凍餃子の生産を通じて障害者が活躍できる場を整えるとともに、その製品をふるさと納税として多くの方へ届けています。

そのようにして、

というSDGsの循環経済の一つのロールモデルが出来ると考え、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)として違いを分かち合いながら仕事をしていきたいと考えているそうです。

理想の職場について

東和組立が掲げるミッションは、「すべての立場の人に対し、幸せに働ける環境を提供し続けることで地域社会へ貢献する」です。
この「すべての人々」には、障害者や外国籍社員、シングルマザー・ファザー、高齢者などが含まれています。

これらの人々が安心して働ける職場環境を提供し、適切な給与を支払い、さらに企業活動全体が美濃加茂市(岐阜県)の経済活動の一助になることが理想だと言います。

また、新たな事業を展開することで、企業活動を広げています。
クラフトコーラ事業では東京駅や新大阪駅内での即売会や各種サウナフェスへの出品など、地域外とのつながりも広げています。

(林様)「こうした取り組みをすることで東和組立の活動をより多くの人に知ってもらい、面白いなと思っていただければ非常に嬉しいですね」とおっしゃっていました。

今後の目標

現在、東和組立様では来期に向けて新たな事業である部品加工業の立ち上げを計画しています。また、既存の障害者雇用やクラフトコーラ事業は慈善事業ではないため、しっかりとビジネスとして成り立つようにすることを目指しています。

これにより、企業としての安定性をさらに高め、次世代へ安心して引き継げる環境を整えたいと語ります。

インタビューをした学生の感想

今回のインタビューを通して、林様の経営に対する信念とそれに対する実行力の強さに非常に驚きました。
特に、ダイバーシティ雇用やD&Iへの取り組みとして、障害を持つ方や外国籍の方でもテクノロジーを活用することで、それぞれの個性を活かしながら活躍できることを実際に知ることが出来ました。

今回、私は障害者雇用に注力する企業に初めてインタビューを行いましたが、「適材適所を見極めることで、いくらでも活躍の場を創出できる」と感じました。

D&Iを単なる言葉で終わらせるのではなく、クラフトコーラ事業など具体的なビジネスとして成立させ、企業の成長にもつなげている点は、「強くて良い会社」を目指すうえでも非常に重要な視点だと学びました。

会社概要|東和組立株式会社様

本社:岐阜県美濃加茂市川合町4-5-2
TEL:0574-26-0181
HP:https://towakumi.co.jp/

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