こんにちは!Pleasure Support株式会社 学生スタッフの栁瀬です。
今回は、デモクラティックスクールの取り組みと働きがいについてのインタビューを、認定NPO法人ASOVIVA様にご協力いただきました。
この記事を通して皆様にASOVIVA様の取り組みや、インタビューを通して私が学んだことをご紹介いたします。
今回インタビューにご協力いただいたのは・・・
今回インタビューにご協力いただいたのは、認定NPO法人ASOVIVA 代表理事の長村 知愛様です。
ASOVIVA様では、「自分を生きる」「社会を生きる」ことを大切にされており、具体的に「社会を生きる力を身につけるとは、どのようなことなのか?」についてお聞きしました。
認定NPO法人ASOVIVA様とは

ASOVIVA様は、2018年9月に子どもたち・その保護者・スタッフが協力して設立した、自由な学びの場を提供するデモクラティックスクール(※)です。
子供たちが自分はどう生きたいかを体験しながら探っていく「自分を生きる」学び場であり、”子ども同士で話し合って物事を決める”を大切にすることで、民主的なスクール運営に参画しながら「社会を生きる」力を身につけていきます。
※デモクラティックスクールとは、サドベリーバレースクールと同じ教育理念に基づいて運営される学校のこと。シュタイナー教育やモンテッソーリ教育と並び、子どもの自主性や創造力を尊重する教育として注目されています。
「社会を生きる力を身につける」とは?
「心のレジリエンスを育むことだと考えています。子どもたちは時に心が折れそうな経験をしますが、そのたびに大人が手を差し伸べすぎると、自分で乗り越える力を育てることはできません。大切なのは、”自分で決める” 経験を積み重ねることです。
子ども自身が試行錯誤しながら考え、自分の力で壁を乗り越えていく。時には『助けて』と言うことも含めて、どんな状況でも自分で対応できるんだ、という自信を持つことが重要だと考えています。」と話されていました。
大人(スタッフ様)はどのように関与しているのでしょうか?
アドラー心理学を学び取り入れ、コーチングの手法を活用しながら関わるようにされています。
例えば、子ども同士の話し合いが煮詰まって解決ができなかったり、喧嘩が思わぬ方向に進んでしまったりしたときには、声をかけて意見がうまく反映されるようサポートします。ただし、”自分たちで決められる” 場合にはあえて介入しないようにしています。
子どもたちが『入ってほしい』と求めたときは関与しますが、ジャッジはしません。大人が答えを出すのではなく、子どもたち自身に『この喧嘩や議論を通じて、どこに向かいたいのか』を考えてもらうことを大切にされています。

「自由にしていい」と言うとゲームばかりになりませんか?
大人が率先して楽しむ姿を見せていれば、子どもたちは興味を持ってくれます。子どもは生み出すことに慣れていないので、大人が楽しむ姿勢を子供たちに見せるように心掛けています。例えば、スタッフが外で火起こしをしたら子ども達も外に出てきたりします。
ゲームは持ってきていいし、最初は使用時間に制限を設けていませんでした。しかし、子ども達から『ゲームに関するルールを決めよう』と議題が上がり、自分たちでゲームに関するルールを決めてからは、それに則って過ごしています。
ASOVIVA様入学について
ASOVIVA様では5~18歳の子どもたちを受け入れています。入学にはメンバーの承認が必要とのことで、新しい入学生に対しても「自分達で決める」風土があるようです。入学についてお聞きしました。
ASOVIVA様への入学を希望する方はどのような方でしょうか?
入学を希望される方は、大きく分けて2つのパターンがあるそうです。
1つ目は、もともと学校に通っていたけれど、通えなくなった子どもたち。彼らは居場所を求めてASOVIVAに来ます。
2つ目は、最初から学校教育ではなく、オルタナティブ教育を選択したいというご家庭。『学校よりもこっちの方が合っている』と判断し、最初からASOVIVAを選ぶケースです。
この2つに共通していることは、”自由”を大切にされていることです。ASOVIVA様には、やってみたいことをとことん追求できる環境が整っています。先生という立場の人はいなく、大人との距離が近く、安心して過ごせる場所です。何かを強制されることはなく、行事への参加や運営も子ども自身の判断に委ねられています。
ASOVIVA様に通う子どもたちはどのような子たちですか?
「元気な子が多いです!ASOVIVAの建物や環境が影響している部分が大きいかもしれません。この建物は、中と外の境界線がゆるやかなので、自然と外に出る機会が多くなり活動の幅も広がっています。
ものづくりが好きな子も多いですね。お菓子作りや秘密基地づくりなど、『何でもやってみよう!』という姿勢が根付いています。
料理人を目指している小学生の子が最初に作ったのは、なんと本格的なカステラプリン!しかも自分のためではなく、みんなのために作ったんです。まずは試してみる。それでもわからなければ調べる。そういった姿勢が自然と育っています。」

働きがいについて
長村様の働いている上でのやりがいは、「自分で見つけていくもの」と考えていました。
「常に同じ環境にいると、時にはマンネリを感じることもあるかもしれません。でも、そんなときは『今は平和なんだな』と受け止めつつ、次に自分が何をできるのか、子どもたちのためにどんなことができるのかを考えるようにしています。やっぱり、人の役に立つこと、そして子どもたちに喜んでもらえることが、一番のやりがいですね。」と話していただきました。
子どもたちがASOVIVA様へ通って変化したこと
ASOVIVA様で”考える力”を身につけているため、保護者の方から『家で親が「こうしなさい」と言ったときに、子どもが疑問を持って意見を言うようになったんですよ。』や『自分で考えられる子になってほしいから、このままASOVIVAで過ごしてほしい。』という声を多くいただくそうです。
ASOVIVA様では、すべてを自分で決める環境があります。ルールも自分達で決めていますが、ルールを作ることすら強制ではなく、『ルールを作るかどうか』も子どもたちが判断する。そんな環境が、ここにはあります。
学生インタビュアーの感想
ASOVIVA様の環境や子どもの主体性を伸ばすような運営方法はとても勉強になりました。特に、話し合いにスタッフは基本関与せず、子どもたち同士での決定を尊重するといった関わり方は、子どもたちの成長を促し、また自分の意思を持ち、それを伝えることの重要性を感じられるようなとても良い関わり方だと思いました。
また、子どものころから社会を生きる力を学ぶことが出来るのは、ASOVIVA様の強みだと感じました。通常、子どもの頃は壁にぶつかったときに親や先生にサポートしてもらうことが多いと考えられますが、あえて自身で乗り切る力を培うことの出来るという環境を作っていると聞いたときは、とても羨ましく、私も子どもの時に経験してみたい環境だと感じました。
法人概要|認定NPO法人ASOVIVA様
本社:大阪府南河内郡河南町寛弘寺756-2
TEL:0721-21-6989
HP:https://asovivaviva.org/