こんにちは!Pleasure Support株式会社 学生スタッフの齋藤と申します。
この度は、社会福祉法人五常会 特別養護老人ホームゆーとりあ 副施設長 松江様に「働きがい」についてインタビューをさせていただきました。
この記事を通して、「環境を作る人の目線」を知り、そして「介護はかっこいい仕事」だと思っていただけると幸いです。
社会福祉法人五常会 特別養護老人ホーム「ゆーとりあ」様
社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム。自宅への訪問介護ではなく、入居者が施設で生活を続け、最期の時まで楽しく、安心して過ごせる場所としての役割を担っています。
ユニット型ケアを採用しており、入居者10名を1つのユニットとして、専属の職員が家庭的な雰囲気の中で一人ひとりに寄り添ったケアを行っています。

法人理念について
ゆーとりあでは、「一人ひとりの思いを暮らしに映す」という理念のもと、入居者それぞれの想いや願いを大切にしています。
少人数で生活するため、職員と入居者が深い関係を築きやすく、自分のことをよく分かってくれるスタッフが身近にいる安心感があります。
例えば紅茶やコーヒーの好み、温かい飲み物か冷たい飲み物かといった日々の小さな選択から、
「お墓参りに行きたい」「娘とカフェに行きたい」「昔住んでいた家に行きたい」といった願いまで、
入居者一人ひとりの声に耳を傾け、職員や家族が協力して実現できるよう努めています。
立場が変わることで変わったことは?
変化したことと、しなかったこと
副施設長 松江様に「職員から副施設長という立場になったことで、何か変わったことはありますか?」と質問すると、以下のようにお答えいただきました。
(松江様)「立場が上がっても、根本的な介護の方針や理念は変わりません。
ただ、見る対象や範囲が広がっていきました。
平職員の頃は、目の前の入居者一人ひとりに向き合うことが中心でしたが、リーダーになると部署全体、施設長になると施設全体を見ていく立場となり、役職が上がるにつれて考え方は、よりシンプルになっていきます。
現在は『一人ひとりの思いを暮らしに映す』という理念をもとに、一人ひとりの意志を大切にするという軸を、どう全体に反映させるかを考えています。
また、法律や制度、労務管理など求められる知識の範囲も増えましたが、最終的な目的は変わりません。入居者と職員、両方の暮らしの質をより豊かにしていくことが、自分の役割だと思っています。」
強まる想いと守る仕組み
想いは役職が変わるごとに強まっていったと言います。
そのきっかけは、責任の重さと部下の範囲が広がることです。今まで関わらなかった人たちも部下になっていく。そうやって関わる人が増えるたびに、一人ひとりがより可愛く、大切に思えるようになったそうです。
職員さんはみんな優しいので、困っている入居者のために色々と手を差し伸べてしまいます。
人として素晴らしいことですが、それは負担が増え自己犠牲になってしまう。
仕事としてやるべきことをきちんと行い、その努力が評価される仕組みを作ることも大切だとおっしゃっていました。
やりがいを感じるとき
「ここ来て良かった」
施設の介護は、単に入居者の日常を支えるだけではありません。
入居者が最期までその人らしく、自分の人生を全うできるように寄り添い続けることが大切です。
そして、その姿をそばで支え、ご家族とともに見届ける――そこには深い意味と、言葉にできないほどのやりがいがあります。
「ここに来てよかった」とご家族から言っていただけること。
それが松江様や他の職員様にとっても何よりも嬉しく、大きな励みとなっていると言います。
より発揮できる環境づくり
やりがいを語ってくださるときに、松江様はこのようにもおっしゃっていました。
(松江様)「やりがいを感じると同時に、どれだけ丁寧に関わっても、『もっとこうしてあげればよかった』と、悔いが残ることもあります。それは、職員一人ひとりが心から入居者を思っているからこそ生まれる感情です。
だからこそ、後悔のないように。関わるすべての人が納得し、安心できるような現場づくりにしなければいけません。
優しさをもった職員たちが、その想いを安心して発揮できる環境をつくること。
それが、この仕事のやりがいであり、現場を支える大きな力となっています。」
今後の目標
理念の継承
(松江様)「この法人がこれから先も地域で活躍し、長く続いていくための土台をつくることです。
変化する制度や社会情勢の中でも、理念を見失わずに安定して支援を届けていく。そのためには、今の組織を担う私たちだけでなく、次の世代へと想いを引き継ぎ、育てていくことが不可欠だと感じています。
特に私が大事にしているのは、『一人ひとりのおもいを暮らしに映す』という法人の理念です。
この理念を次の世代にしっかりと引き継ぎ、それを実践できる人材を育てることが私の役割だと思っています。」
人とテクノロジー
(松江様)「テクノロジーの進化によって、見守りや業務の効率化が進む一方で、それに任せきりになると、監視や管理が先行して温もりが失われ、機械的になってしまう恐れがあります。
だからこそ、『人の想い』を大切にできる人材を育てていきたいと思っています。
機械に任せるべきところは任せながら、人にしかできないケアや寄り添いを担う人を、次のリーダーとして押し上げていくことが目標です。
一人ひとりの『らしさ』を認め、その人を想う支援を、次の世代が自然にできるように。
この組織を守りながら、未来へとつなぐ役目を果たしていきたいと思っています。」
若い方々に伝えたいこと
「かっこいい仕事」
昔はマイナスなイメージが強かった介護職ですが、専門的な知識や技術、理論に基づくプロフェッショナルな仕事であり、若い世代が活躍する「かっこいい仕事」へと認識がアップデートされつつあります。
最新の機器やスマホ端末・インカムなどを駆使しながら働く姿は、美容師のようにスタイリッシュで洗練されています。
あらゆる設備の進化によって、重労働というイメージは薄れ、腰痛などの身体的負担も大きく軽減されました。
しかし、まだまだ固定化されたイメージは完全には払拭しきれていません。
だからこそ松江様は、介護職は若い人たちが誇りを持って活躍する「かっこいい仕事」であることを伝えていきたい、と語られました。
インタビューの感想
働く環境をつくる立場の人の話を聞くのは、これまであまりなかった経験でした。
私はずっと、その環境の中で働く側として過ごし、それが「与えられるもの」だと疑いもせず受け入れていました。
しかし今回のインタビューを通して、部下への愛情や、次の世代へ想いをつなぐ姿勢が、環境づくりの根底にあることを知りました。
人を大切にする気持ちが、働く場を形づくるだけでなく、人と人とのつながりや絆にも通じている。
そんな本質的な部分に触れる機会になったインタビューでした。
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